まど・みちお

2013年11月28日

まど・みちお「とうがらし」

  とうがらし

         まど・みちお

さわるな さわるな
あたま とんがらして
まっかに なって
おこってる おこってる
とうがらし

tou

そう「あたま とんがら」せず、心安らかにまいりましょう。


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2020年03月03日

まど・みちお「するめ」

きょうは、有名な、まど・みちおの珠玉の作です。

  するめ
         まど・みちお

とうとう
やじるしに なって
きいている

うみは
あちらですかと……

⑮するめ

ヒトにつかまったイカは、干されてスルメという名前にされて、
火にあぶられて、そりかえり、
そういえば、矢印になって、
指しているのは、海のほうでしょうか。

まど・みちお(1909-2014)は、1909年、山口県の生まれ。本名、石田道雄。小学生のころに日本統治下の台湾に渡り、台北工業学校を卒業後、台湾総督府に勤務。34年、児童雑誌に投稿した作品が詩人の北原白秋に認められ、詩や童謡の創作を始めました。

その後、戦地への召集、復員を経て、49年から雑誌「チャイルドブック」の編集に従事。その傍ら、「やぎさんゆうびん」「ふしぎなポケット」「一年生になったら」など童謡の歌詞を手がけます。59年からは詩を中心に制作し、68年に詩集『てんぷらぴりぴり』で野間児童文芸賞を受賞。

94年には児童文学のノーベル賞と称される国際アンデルセン賞作家賞を日本人で初めて受賞しました。その後も現役で創作活動を続けていましたが、2014年2月、老衰のため亡くなりました。享年104。


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